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2007年8月 9日 (木)

中島中将の日記「捕虜ハセヌ方針ナレバ」(3)

さて今日は、東中野教授が「『南京虐殺』の徹底検証」で紹介されている「交戦法規ノ適用ニ関スル件」(陸支密第一九八号)について掘り下げてみましょう。

書く前にこの通牒の全文を探してみたのですが見つかりません。

しかし肯定派、否定派双方ともに都合のよい部分を引用して拡大解釈している感を受けました。

部分的な紹介になるのをあらかじめおことわりしておきますが、肯定派は以下の部分を引用していることが多いですね。

一、現下の情勢に於て帝国は対支全面戦争を為しあらざるを以て、「陸戦の法規慣例に関する条約其の他交戦法規に関する諸条約」の具体的事項を悉く適用して行動することは、適当ならず。

四、(中略)帝国現下の国策は努めて日支全面戦に陥るを避けんとするに在るを以て、日支全面戦を相手側に先んじて決心せりと見らるるが如き言動(例えば戦利品、俘虜等の名称の使用、或は軍自ら交戦法規を其儘適用せりと公称し、其の他必要已むを得ざるに非ざるに、諸外国の神経を刺戟せるが如き行動)は努めて之を避け・・・

否定派の東中野教授が引用するのが上の部分に加えて

四、軍の本件に関する行動の準拠、前述の如しと雖、帝国が常に(略)戦闘に伴う惨害を極力減殺せんことを懸念しあるものなるが故に、此等の目的に副う如く、前述「陸戦の法規に関する条約其の他交戦法規に関する諸条約」中、害敵手段の選用に関し之が規定を努めて尊重すべく(略)

という部分です。これは四の(中略)に相当する部分です。

青部分だけ取り出して読むと日本軍は悪の軍隊に読めます。

赤部分だけ取り出して読むと日本軍は無用な殺戮を怖れる自制の効いた軍隊だと読めます。

資料を並べて書くだけではブログの意味がないのですが、全文入手できないことにはどれも恣意的な引用に見えてしまいます。

もちろん洞教授も藤原教授も東中野教授も、この通達の引用の後に自説を展開しているのですが、それも全文引用しないままでは疑いが残ってしまいますね。

こちらについては図書館にでも行って、何とか全文入手した後に解釈を試みたいと思います。

何とか偕行社の「南京戦史」を入手したいものですね。

さて陸支密第一九八号については解釈をあきらめました。

本来の「捕虜はせぬ方針ならば」の解釈に戻りたいと思います。

南京事件FAQのこのページでは

http://wiki.livedoor.jp/nankingfaq/d/%a1%d6%ca%e1%ce%ba%a4%cf%a4%bb%a4%cc%ca%fd%bf%cb%a1%d7%a4%c8%a4%cf%bc%e1%ca%fc%a4%ce%ca%fd%bf%cb%a4%c7%a4%cf%a4%ca%a4%a4

・上海派遣軍の大西一参謀の証言への反論

中島日記を引用しての反論

佐々木元勝氏の証言を引用しての反論

児玉義雄氏の証言を引用しての反論

という形で反論しています。

処理という言葉が所々に出てまいりますし、「片づける」という単語の後に「餓死」という単語が並んでいたりする以上、片づけるという言葉の指す所が「釈放」だというのは苦しいと感じます。

日本軍に好意的な解釈をすれば、「戦争」ではなく「事変」という言葉にこだわった事情もあることですので、釈放にせよ殺害にせよ、明確な言葉を使いづらかったのではないかとも思えます。

しかし私の擁護したい気持ちも、中島日記の

天文台附近の戦闘に於て工兵学校教官工兵少佐を捕へ彼が地雷の位置を知り居たることを承知したれば彼を尋問して全般の地雷布設位置を知らんとせしが、歩兵は既に之を斬殺せり、兵隊君にはかなわぬかなわぬ

などという文言があるとぶちこわしです。

少なくとも十六師団については、日本軍は捕虜を不法に殺害したとの非難は免れないでしょう。

次回は十六師団から離れて、北村稔教授の捕虜に対する解釈を検討したいと思います。

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コメント

こんばんは。

『「交戦法規ノ適用ニ関スル件」(陸支密第一九八号)』ですが、アジア歴史資料センターにありました。オンラインで閲覧できます。
http://www.jacar.go.jp/

レファレンスコードは、C04120138000です。

取り急ぎお知らせまで・・・。

投稿: j.seagull | 2007年8月21日 (火) 01時13分

seagullさんありがとうございます!
これは嬉しい。早速調べてみますよ!

投稿: daikichi | 2007年8月23日 (木) 05時34分

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