« 幕府山事件(2) | トップページ | 集団自決について »

2007年8月23日 (木)

交戦法規の適用に関する件(1)

8月9日のエントリーにて「交戦法規ノ適用ニ関スル件」(陸支密第一九八号)について解読を試みようとしたものの、資料全文が入手できないので中断してあきらめておりました。
しかしコメントを寄せてくださった「J.seagull 」さんから全文を読めるサイトを教えていただました!
http://www.jacar.go.jp/

偕行社の本を入手するまでは無理だとあきらめていたのですが、このようなサイトがあるとは知りませんでした。J.seagull さんに誠に感謝です。

早速読んでみた所、資料をスキャニングして画像化して公開されてありまして、見まごう事ない本物です!
01
これを更にOCRで文書化してみたいと思ったのですが我が家のスキャナの性能からそれは無理だろうと判断しまして、手作業でテキスト化することにしました。
そう長い文書ではないですので読んでくだすってる方、どうかご辛抱を。本業の合間を縫ってですので遅々としてますがどうかそれもご辛抱を。

テキスト化するにあたって、原文中のカタカナは総て平仮名に直しました。
70年前の文章ですので「ならず」が「ならす」になっているなど、カナの使い方が現代とは明らかに違うものは修正しています。
判読ができない部分は「●」で表示します。

交戦法規の適用に関する件

一.眼下の情勢に於て日支両国は未だ国際法上の戦争状態に入りあらざるを以て「陸戦の法規慣例に関する条約其の他交戦法規に関する諸条約」の具体的事項を悉く適用して行動することは適当ならず

二.但し左の件を実施するは眼下の状況に於て当然の措置として差支なし

 1、自衛上必要の限度に於て敵性を有する支那側動産不動産を押収接収破壊し或は●●●分(例えば危険性あるもの、長期の保存に耐えざるもの押収後之が保管に多大の経費、労力を要するもの等を換●又は棄却する等)すること
 『但し土地建物等の不動産及び私有財産【市、●、●、村に属する財産を含む】は之を軍に於て●収することは適当ならす』
 2.自衛の為又は地方良民等の●●の●●●己むを得さる場合に於て前項の物件等を利用すること

三.右項の外日支兵干戈の●に●見ゆるの●●せる事態に直面し全面戦争への移行●●必ずしも明確に峻別し難き現状に於て自衛上前記条約の精神に準拠し●●に●し機を失せず所要の措置を取るに●●なきを●す

四.軍の本件に関する行動の準拠、前述の如しと雖、帝国が常に人類の平和を愛好し戦闘に伴う惨害を極力減殺せんことを懸念しあるものなるが故に、此等の目的に副う如く、前述「陸戦の法規に関する条約其の他交戦法規に関する諸条約」中、害敵手段の選用に関し之が規定を努めて尊重すべく又帝国現下の国策は努めて日支戦争に陥るを避けんとするに在るを以て此種戦争を相手側に先んじて決心せりと見らるる如き言動(例えば戦利品、俘虜等の名称の使用、或は軍自ら交戦法規を其儘適用せりと公称し、其の他必要已むを得ざるに非ざるに、諸外国の神経を刺戟せるが如き行動)は努めて之を避け又現地に於ける外国人の生命、財産の保護、駐屯外国軍●に●する●●等に関しては努めて遵法的に●●し以て第三国との紛争を避けるのみならず皇軍に●して●●を●かしむる如くするものととす

この先も解読していきますが、文字が小さいのと旧字を読み慣れていないのとでやたらに●が多くなってしまっています。

一については既に紹介しましたが、宣戦布告ができない状況の説明と、それなるが故の陸戦法規を適用できないと言う判断ですね。
二については動産不動産を無差別に破壊したり押収したりするなという文章ですね。敵性を持っているものに対しては可だということです。
三については●が多いので不確かな所もありますが「自衛上前記条約の精神に準拠し」という所は重要かと思います。
四についてはとにかく全面戦争に発展するのを怖れて、「外国から正規戦だと勘違いされてはいけないのでそういう行動を取るな」と言う事ではないでしょうか?
ここの部分だけを取って「俘虜等の名称の使用」をしないからといって全て殺す方針だったのだな、という解釈は強引かと思います。中島中将でさえ、成り行きに負けた側面があったとは言え「捕虜は流れ作業で殺していけ」のような指示を出していたとも思えません。
しかしこのような難しい対応を求められた上海派遣軍は大変だなと思いました。
この辺りは政治の責任ですね。

何かを感じたらクリックお願いします→Banner2_7

http://strategy.co.jp/
保守系SNS『国民の総意』

新しい風を求めてNET連合 

の白紙撤回を求める署名にご協力をお願いします。

|

« 幕府山事件(2) | トップページ | 集団自決について »

コメント

こんにちは。
ささやかながらお役に立てたようでなによりです^^

偕行社の「南京戦史」はわずかに古本でも流通しているようですが、さすがに高額です・・・。

日本の古本屋:書籍検索結果「南京戦史」
http://www.kosho.or.jp/servlet/bookselect.Syousai?sc=1108A79C10E19B114ED18997687098EA&p_bk_tourokubi=2B302FD2A168B720580DE48AF63C85D31334175A536D984B&p_bk_seq=8536&wg=W

一部はネットで読めるようにしてくださっている方もいらっしゃいますが・・・

証言による南京戦史(1)~(11)
http://www.history.gr.jp/~nanking/books_shougen_kaikosha.html

復刊リクエスト投票もありますが、復刊までの道のりは遠そうです・・・(私も投票しました)

南京戦史増補改訂版 資料集とも全3巻南京戦史編集委員会編纂 復刊リクエスト投票
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=14439


ついでに調子に乗って(笑)、慰安婦関係資料も貴重な資料が今年になってネット公開されています。

女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)
http://www.awf.or.jp/program/index.html#link
・『「慰安婦」問題調査報告・1999』
・『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』

資料へのリンクが見つけにくいので、私の下記のエントリーの最後のほうで整理してあります。

http://jseagull.blog69.fc2.com/blog-entry-459.html

関係資料集成のほうは、膨大な一次資料の写しがまとめられていますが、これだけの慰安婦関連資料があったことを知って驚きました。

p.s.
エントリー内容に関係ない書き込みですみません・・・。

投稿: J.Seagull | 2007年8月23日 (木) 11時25分

うわわ
いえいえとんでもないです!
amazonで買う、ないしは図書館という調べ方しかしていなかったのでweb上にも結構貴重なものがあるんだなと実感できます。
教えていただいたものは決して無駄にはしません。
日本のためになりますように。

投稿: daikichi | 2007年8月23日 (木) 12時54分

はじめまして。
私は南京虐殺について「数千~数万人説」を採っている者なのですが、現在、mixiにて、無かった派のお方と論争中です。

材料を集めていて、こちらのブログに辿り着きました。
大変参考になります。
有難うございます。

mixiが見れる環境でおいででしたら、良かったら読んでやって下さいませ。
view_diary.pl?full=1&id=1112448706&owner_id=545566

投稿: ポポイ | 2009年4月 5日 (日) 22時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 幕府山事件(2) | トップページ | 集団自決について »