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2007年3月26日 (月)

南京関連ニュース 「30万人」に学術的根拠ない」続報

過日、中共側の学者の方から「南京三十万人虐殺には根拠がない」と言う意見が出たことをご紹介しました。
この方針転換の背景についての論評を探していたのですがやっとまとまった投稿を見つけました。
雑誌「諸君!」の2007年4月号「「やはり南京【三十万】虐殺は【政治的数字】だった」(アスキュー・ディビッド)という記事です。
著者を知らなかったので少し検索してみましたがあまり情報がありません。
こちらの大学の助教授ということですが利害関係など詳しいことがわからない人の論評ですので疑り深く読んでいきたいと思います。

前文
過去記事で紹介した通りの、東京財団主催の講演会の内容が紹介されています。
他に注目すべき内容として、中国側での歴史研究について「反省」という言葉が再三再四使われた事を述べられています。著者は「今までの反省を受けて、今後は実証主義的姿勢を重視していくという変化を指しているのであろう。」と分析されています。

三十万人は「政治的数字」と暗示
まず中共が実利的計算から日本を歴史問題で非難してきたこと、また最近はその歴史非難が中国の国益を損なうようになっていることを述べられています。
日本の対中投資が冷え込んでは元も子もないぞって事でしょうね。
ここで著者は「大きな変化」として三つの事項を挙げられています。

一、勝者としての言説に加え、被害者としての新しい国民的アイデンテティが今や形成されつつある。
例として終戦の時国民党が主張していた被害者数が175万人だったのが、江沢民時代には3500万人になっていることをあげられていますが、この程度のことは南京事件に関心のある人ならみんな知っている事です。

二、反日による統合・支配は、教育の現場やメディアにおける反日的な復仇民族主義の鼓舞を手段とするものであるが、それは今や諸刃の剣となって、中国政府に襲いかかってきた。
日本を糾弾する民衆の暴動はいつ共産党指導部へ向かうかもしれないと言うことですが、これも依存症の独り言の板真さんなどは前から何度も主張されていることです。

三、こんにちの中国ではナショナリズムを語る際、「国家」のみならず「社会」もますます重要な存在になってきたという点だ。
つまり中共でさえ「新しく誕生した、いわば大衆民族主義(世論)を無視することができなくなり、一定の配慮をせざるをえなくなった。その結果、文化大革命のときに「臭老九」という蔑称を張られていた知識人の影響が少しずつ復活してきて、民族主義に限っていえば党が主体的「前衛」ではなく、むしろ民族主義に動かされる客体となってきたのである。」

つまり世論を無視できなくなってきたということですね。
意外なことですが、中国国内で共産党を批判する文献が紹介されています。
「中国を悪魔と描く工作」(原題【妖魔化中国的背後】:李希光、劉康:中国社会科学出版社)
「それでもノーと言える中国」(原題【中国還是能説不】:著者同じ:中国文聯出版)
日本を好意的に描く小説も少数ですがあるそうです。
「温故1942」(劉霞雲)

著者は「中国は民主主義の国では断じてないが」と書かれていますが「中国は確実に変わってきているのだ。」とも主張されています。かなり中国に好意的な文章です。

大量殺害を命じた証拠はない
まず程兆奇教授の講演会での発言を分析されています。

「東京裁判」という最近の中国の映画を紹介しつつ、大衆文化では、日中戦争の「歴史」が材料として取り上げられるとき、歴史的事実が軽視され、反日感情を煽る形で「制作」・捏造がたびたび行われており、この点は、中国人として反省して然るべきだ、と率直に認めている。

嘘を「嘘でした」と認めてるのだから誉め称えよ、という風に聞こえてしまいますね。

一方、日本の最大の問題点とは、一言でいえば、文脈の軽視、文脈の無視という点に尽きるという。

要するに「侵略者としての反省を忘れて被害者数の多寡にこだわるのは日本が悪い」と言っているのですね。
私個人的には疑問があるものの、日本の首脳は侵略戦争であったことも認め、謝罪も行い、莫大な経済援助で中国を支援してきました。こっちの方が文脈の無視ですね。

大虐殺派は中国に利用された?
張連紅教授の講演の内容を紹介されています。
1980年代まで歴史研究が困難な状況であったこと、日本の「大虐殺まぼろし派」に対抗するために研究が始まったが、極めて政治的な研究であったこと、などの状況を述べた後、
一、南京大虐殺研究センターの設立
二、欧米や日本の資料を駆使しだした
上の二点を著者は好意的に解釈しています。
驚くのが、中国側は1980年代までは、わずか三冊の資料で南京事件を研究していたという事が程兆奇教授の口から出た様子であったことです。
これは笠原十九司教授も嘆くのじゃないでしょうか?

本筋と関係ない部分ですが

日本の大虐殺派の論客の中で、中国の路線に追随してきた者もいるが、彼らは騙されて利用された、ということにもなろうか。
彼らが今後、中国の路線変更にどのように対応するのかは、興味深い点であろう。

笠原氏や洞氏のことを指しているのでしょうけれど、笠原氏でさえせいぜい二十万人説なのですから、ここはあまり興味深いとは思えません。
この方は文章を見る限り日本語は堪能でよく勉強もされているようですが、大虐殺派の学者の著作はあまり読んでいないのでしょうか?

その後張教授は、日中共同歴史研究のことかと思われる内容を話されています。

客観的に、また公平な立場に立って、資料を駆使さえすれば、日中両国の共通した理解を確立することは可能だと考える、と。

ラブコールにどう応えるか
著者による今回の講演のまとめです。

資料集を出版して、今後は資料分析に基づく学術的研究に励むという主張は、日本の識者に対する一種のラブコールとみることもできよう。

ちょっと不気味なラブコールですね。

またこの講演は、中国内部での強硬な大虐殺派の動きを牽制するもの、という推測もされています。
大虐殺派を牽制と言っても、今まで大虐殺派しかいなかったのではなかったのでしょうか。
好意的なのは結構ですが贔屓の引き倒しと言う感がしますね。

何よりも、北京オリンピックの開催を是が非でも成功させたいと考えている中国政府が、烈しい反日感情をやわらげるため、国内における歴史解釈の修正を打ち出す前に、とりあえず海外で先手を打った、という可能性もあろう。

オリンピック成功のためになりふり構っていられないのは間違いないでしょう。ここは同意できます。
オリンピックで反日暴動でも起きたら中共の信用は地に落ちますからね。

繰り返しになりますが最終的なまとめとして
一、日本や欧米の学術的研究を無視できなくなった。
二、国内のナショナリズムが制御できなくなった。

この二点が三十万人否定の背景だと言う事を推測されています。

アスキュー・ディビッド教授は親中派であることは間違いないですね。
決定的に欠けている視点は、中共は政権維持のために、いびつな形でも経済発展をしていかねばならないということです。
そのための資源獲得のため、アフリカ諸国へのODAばらまきを行っていること。
猛烈な軍備拡張を行い、東アジアでは領海、領空侵犯などを数え切れない程行っていることです。

自分にはこのような親中派の学者の言説より、ネット上の知識人である「チェーザレ」さんの分析の方が正鵠を得ている感じがします。
この方は私がmixi上で知り合った方なのですが、どういう仕事をなされているのか経済と中東情勢にめったやたらにお詳しくいつも意見を興味深く読ませてもらっています。
以下にこの問題についてのチェーザレさんの分析を転載します。
ディビッド教授の分析と比べてみなさんどう思われますか?

チェーザレ 
南京関連のニュースで進展があったのはこれがあったからでしょう
「第7回中日戦略対話が終了 戦略的互恵へ前進」
第7回中日戦略対話(日中総合政策対話)が27日に終了し、改善の情勢が見られた中日関係が、戦略的互恵の方向へと進んでいることが示された。今回の戦略対話は、昨年10月の安倍晋三首相訪中で政治的膠着が破られて以降では初めての開催となった。外交部の戴秉国副部長と日本外務省の谷内正太郎事務次官が、両国代表として参加した。

 同対話は慣例上、クローズドで行われ、メディアには公開されていない。中国外交部によると、3日間の対話で中日両国は、中日関係の改善と発展という良好な情勢を固めること、両国の戦略的互恵関係の構築、および関心を共有する国際問題・地域問題になどについて、率直で踏み込んだ意見交換を行った。また、次回の戦略対話を双方の都合が良い時期に東京で開くことで合意した。
(2007年01月28日  asahi.com)

http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY200701280122.html 

中間で戦略的互換関係を構築したからです。この戦略的ってのは核の話です。
安倍首相は非核三原則固持ですが側近たちが核武装の議論をしており、核武装の本が出版されてます。
中国のメンタリティでは議論も出版も考えられない事です。だから中国側からみれば国家元首は核武装を捨ててない様に見えます。日本は中国と核問題を話し合うテーブルにやっと着けたってことです^^; 

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コメント

「南京大虐殺」そのものが湾曲されたものとすれば、それは中国の抗日運動の一環として、いわゆる政治的戦略であり許されるべきもではない。過去の事実から、中国政府の統計学的発表というものはほとんど信用できない。「天安門事件」の犠牲者ですら、中国政府は一切の公表をしていない。人権軽視を何のためらいもなく露呈している中国政府は今をもっても閉鎖的である。日本政府は「南京大虐殺」に関して、徹底的に調査をすべきであり、その内容を世界に向けて公表すべきである。過去を蒸し返すのではなく、過去を正当に再認識すべきである。そのこと自体が今後の日本を指針すべく、重要な課題であり、後生の日本の人たちに対する義務ではなかろうか。

投稿: 青沼順 | 2007年3月27日 (火) 10時57分

このような汚い手段は中国共産党の常套手段ですよ。
20万人の虐殺はなかった、といって、日本側は日中友好のために虐殺があった事実だけを認めてください。と言って来る。
 そして、日本から金と援助を受け取った後で、またほとぼりがさめたあとで、「日本は南京大虐殺を行った!日本側も認めたではないか!」と永遠に言い続けるつもりです。歴史的事実にしたいのですよ。
 つまり、日本を騙そうとしてるわけです。
 中国側が何を言おうと、南京事件はあったかもしれないが虐殺は絶対になかったといい続けるべきですね。中国共産党はかけらも信用できません。

投稿: sarisari | 2007年5月30日 (水) 18時22分

「戦略的互恵」ねぇ……

今までの嘘八百砲がそろそろ効き目なくなってきたんで方針転換?「気を許すな」ってのは同意ですが、もちっと情報がないと何とも言えませんな。

中国と核の協議っていうと、そういえば、今中国は原子炉を急ピッチで建造中じゃなかったかな(下手すると、中国の全電力需要を原子力で賄う気かってくらいの数)。そっち絡み?少なくとも兵器級じゃなさげだが。兵器級は原潜も急ピッチで就役させてるみたいだけど。

アメがそろそろキレそうだから何とかしてくれって相談でもしてきたかな?

そういえば、今の中国軍の軍管区の配置図をみたとき、国共内戦以前の軍閥分布図そのものだったのを見て思わず笑ってしまった。

投稿: delphinidae | 2007年6月12日 (火) 20時24分

映画「南京の真実」まとめサイトが、水島社長の応援をうけ、Wiki化しました!

編集していただける方を募集しておりますので、よろしくお願いいたします!

http://jpn.nanjingpedia.com/wiki/

投稿: Kjm | 2007年6月20日 (水) 13時37分

>青沼順さん
コメントありがとうございます。
中共の言う「三十万」は要するに「多い」って意味しか持ってないですよね。
学術的調査などされた形跡はありません。
と言いますか中共の学者は笠原教授や秦教授の研究を題材にして研究してるのだとか。
そのようないいけげんな調査による「三十万」の一人歩きは以前からですが最近は三十万の代わりに「大虐殺」という言葉を一人歩きさせようとしてるなと感じます。

>sarisariさん
コメントありがとうございます。
かけらも信用できない認識、私も同様です。
さてそうなると「南京事件」「南京大虐殺」「南京虐殺」と言葉の問題にもなってまいりますね。
一万人でも平時の感覚からすると大変な数です。
一万人でも大虐殺と言おうと思えば言えるから困りますね。
私も日本のために、「虐殺」という言葉の意味を突き詰めて参ります。

>デルさん
ええー?
原子力技術は日本が提供せよって話ですよね?
たまらんなあ。。。。
しかし最初に東京電力が技術教えたとしても二十年も経ったら絶対中国版チェルノブイリ起こしそうですね。
今度は距離が近すぎて怖い。
民主化しない限り原子力技術など門外不出にしてほしいです。
でもアメちゃんが教えちゃうかな。
そして米中同盟。鬱ですわ。orz

>そういえば、今の中国軍の軍管区の配置図をみた
>とき、国共内戦以前の軍閥分布図そのものだった
>のを見て思わず笑ってしまった。

ぜひ私にも見せて下され。


>Kjmさん
お疲れ様です。
じっくり見て参ります。
編集出来る内容があればいいのですが。
とにかくじっくり見てみます。


投稿: daikichi | 2007年8月 6日 (月) 12時35分

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