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2006年9月20日 (水)

従軍慰安婦、肯定派の論理(1)

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すっかり否定され尽くしたと思っていた従軍慰安婦問題ですが、まだ国内の左翼の中にもこれを主張する根強い勢力があるようです。
肯定派の論理を知るために一冊本を読んでみました。

「戦後責任論(高橋哲哉)」講談社

こちらの本を読んで気になった点を述べていきます。

P128に「被害者の証言には過剰な精密さを要求し、その信用を落とそうとする一方、自らの主張には大甘なのが否定論の特徴です。」
という部分がありますが、ちょっと理屈がおかしいです。
日本軍の責任を問うためには、被害を受けたと主張する側は立証の責任があるはずです。
「軍による強制連行があった」と主張するのならば、理路整然とした証言と動かしがたい証拠が必要なのは当然の事ではないでしょうか?
旧日本軍を被告だとすると、被告を有罪とするためにはそれ相応の証拠が必要なのは、法治国家の国民なら誰でもわかることです。
松本サリン事件で濡れ衣を被せられた会社員の事を思い出してみて下さい。
あの濡れ衣の原因は、状況証拠だけで「アイツがやったに違いない」などと新聞、テレビがあおり立てたからではなかったですか?
強制連行をあったと主張するのならば、確実な証拠を求められるのは当然なことです。
そしてよく言われることですが、なかったことをなかったと証明することはほぼ不可能です。

「慰安婦Aさんは軍による強制連行によって慰安婦にされた。証拠はこうこうです。」
肯定派はこれだけの証拠をそろえればいいのです。
それが二個あれば二個分だけ、三個あれば更に説得力を増します。
その証拠が一つもないから現在朝日新聞でさえも従軍慰安婦問題を語らなくなってきているのです。

しかし否定派は、そういう強制連行が一件もなかったことを証明せねばなりません。
慰安婦が何千人いたのか何万人いたのかわかりませんがその慰安婦全てが強制制のない売春婦であったと証明することなんかできますか?
肯定論と否定論の証言を同列に扱えというのは無理な話です。

また、P124で「戦後すぐのバタビア裁判やオランダ政府調査報告などでは、占領地でそうした狭義の強制連行があったことが確認されていますし、軍を背後にした誘拐が内地でさえしばしばあったことを示す資料も存在します。」とあります。

暴走した個人の兵の行為を問題にしているのではないのです!
日本国に戦争責任を求めるのならば、日本軍が組織的、系統的にその犯罪を行ったという証拠を突きつけるのが立証側の責任ではないのですか?
それをやってこそ法治国家なのではないのですか?
例えが悪いのですが、日本に旅行に来た韓国人女性を、日本の性犯罪常習者が拉致して強姦したらそれはイコール日本政府の責任ですか?そういったものは個人の責任ではないのですか?

言い方が冷たいようですが、女性の立場を思いやるばかりに本質がすり替わっています。
責任を当時の政府に求めるのだとすれば、政府が指示して実行させたと言う証拠が必要なのです。
そしてそこには、証拠と論理の整合性を求める作業は必要であっても、一切感情を混同してはいけません。
慰安婦問題を肯定する側は学者でさえこのような混同を行っていることは驚きを禁じ得ません。

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コメント

個人的な犯罪なのか国家的な犯罪なのか。
証拠を残してるとも思えませんが・・・。
でも証拠がないから無罪っていうのと証拠が無いから犯罪自体が無かったっていうのは違うのではないでしょうか。

投稿: わっこ | 2006年9月21日 (木) 09時20分

う~ん。プロパガンダの常套手段ですなw
レッテル張り・普遍化・転移・証言利用・バンドワゴンは典型的なプロパガンダの技法ですよ。
P128はレッテル張り、P124は転移と証言利用ですな。

哲学者の癖に検証と反証の非対称性、悪魔の証明を知らないんでしょうかね?

立証されないものは 犯罪ではないですよ。
ある行為を犯罪とするためには、構成要件・違法性・責任の3点が成立する必要がありますから。

投稿: alphonse | 2006年9月21日 (木) 10時13分

>わっこ さん
いらっしゃい 笑

>証拠を残してるとも思えませんが・・・。

これについても記載があるんだよ。
具体的には今日の記事に書くけれども言いたいのは
「証拠がなければ断罪してはならない」
って事だね。
やっぱりこれシリーズにしようかなと思うよ。
これについてはイヤになるほど調べたので何ぼでも書けるとよ 笑

>デルさん
そうなんですよこれで哲学者なんですよ。
読んでおっても何つーか例え話しが難解で
「その例え話から何でその結論になるの?」って驚くことが多い。
でもこれは俺が頭悪いだけかもしれんので紹介してデルさんやみんながどう思うのか聞きたいねえ。

投稿: 代吉 | 2006年9月21日 (木) 20時05分

同意致します!
私は今、「慰安婦問題プロパガンダ禁止法」制定の可能性について考えています。韓国側は慰安婦問題を「女性の人権問題」としてグローバル化し、人権運動として国際世論の支持を得ようとしています。韓国は国内法と国際法というダブルスタンダードで巧妙な戦略を持っていますが、日本はお粗末なものです。

投稿: eegge | 2017年5月21日 (日) 21時55分

同意致します!
私は今、「慰安婦問題プロパガンダ禁止法」制定の可能性について考えています。韓国側は慰安婦問題を「女性の人権問題」としてグローバル化し、人権運動として国際世論の支持を得ようとしています。韓国は国内法と国際法というダブルスタンダードで巧妙な戦略を持っていますが、日本はお粗末なものです。

投稿: eegge | 2017年5月21日 (日) 21時56分

この問題についてはドイツの戦後処理が参考になります。各国の憲法や法は「社会契約」によって成り立っていますが、社会契約の当事者は国家と国民(人民)ではなく、あくまで国民間の契約で、この場合の国家や国益は単なる概念で、実体はありません。従ってドイツの場合、ナチスドイツとは単なる概念であり、戦争責任は国家や軍隊にあるのではなく、あくまで具体的犯罪を犯した個人(国民)にあるとしています。従って、ドイツは国家として謝罪したことはありません。

投稿: eegge | 2017年5月21日 (日) 22時23分

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